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創作小説「月夜【前篇】」

先週、急に思いつき小説を書き始めました。
そしてやっと出来上がりましたのでアップします。

何度も推敲を重ね、読み返せば読み返すほど直したいところが出てきて他の作業ができないので、諦めていい加減手放すことにしました(笑)

薪さんの心情にかなり突っ込んで書いたので賛否両論あるかもしれませんが、読んで感想を聞かせていただければうれしいです!

ちなみに18禁ではありません・・・

でも何故でしょう・・・、全編にエロい雰囲気が漂っているのは・・・

これが私が変態と言われる所以でしょうか・・・(笑)


少し長いので2回に分けてアップします。
後「接吻」は「口づけ」と読んでほしいのでよろしくお願いします!それが私のこだわりです・・・(←やっぱ18禁じゃないか?とか言わないで・・・)

私らしくなくかなり真面目に書いてあります(笑)

では読みたい方はどうぞ!


「月夜」(前篇)

薪がシャワーを浴びて「第九」に戻ると、曽我がたった一人でモニターを見ていた。
ここ最近の中では「第九」がこんなにガランとしているのは珍しいことだ・・・。

ただでも忙しい「第九」だが、ここ一週間ばかり特に過酷な勤務が続いていた。
別件と思われる連続殺人事件が立て続けに二件発生していたのだ。
今日、ようやくそのうちの一件の容疑者と思われる人物の身元を割り出し、捜査一課に情報を提供することができた。そして数日ぶりに今井と小池を自宅に帰したのだった。
明日からまた数人ずつ交代で帰宅させるつもりだ。

そして岡部は捜査一課に同行し現場の再確認に出たまま、まだ戻っていないようだった。

「お帰りなさい」
曽我が薪に気づき、顔を上げた。
「青木は?」
「青木なら仮眠とらせました。モニター見ながら、ウトウトしてたんで・・・。だめでした?」
「いや・・・、それならいい」
薪は洗いたての髪をかきあげた。
すぐに続けて曽我が言う。
「あ、あと宇野なら今、夜食の買い出しに行きましたよ」
「・・・そうか」
少し気恥ずかしかった・・・。
自分は「第九」の室内に入ると、誰よりも先に青木を探してしまう。
別に用があるわけで無くても・・・だ。そしていなければ思わず「青木は?」と聞いてしまう。
こんな調子ではいつか誰かに気づかれてしまうかも知れない・・・、薪は心の中で苦笑した。

しかし曽我はそんなことを気にする様子もなく続けた。
「あの・・・、俺もシャワー浴びてきていいですか?そういえば、おとといからシャワー行けてなくって・・・」
「そうだったのか?行ってこい。今空いてるから・・・」
薪が呆れながら言うと、
「スッキリしたら、次は夜食だ~。あ、夜食は肉まん頼みましたから!」
と曽我は嬉しそうな笑顔を残して出て行った。

薪は奥にある仮眠室に目をやった。

青木がいるはずだった。
何をするつもりなのか自分でもよく分からないまま、薪は吸い寄せられるようにそちらに歩いて行くとそっとドアを開けた。
そして暗い部屋の中に体を滑らせるとドアの鍵を後手で閉めた。

鼓動が高鳴った・・・。

中は常夜灯もつけず真っ暗にしてあり、ブラインドも上げたままになっている。
多分転がり込むように寝てしまったのだろう・・・、毛布まで下敷きにして大の字になっている青木をぽっかりと夜空に浮かんだ月の明かりだけが照らしていた。
今日は満月だ・・・。

奥の壁にピッタリと寄せて置かれた簡易ベッドは大きな青木の体には窮屈そうで足がはみ出してしまいそうだ。
それがおかしくて薪はつい口元を緩ませた。

薪は音を立てぬように近づくとゆっくりベッドの端に腰を下ろす。
ベッドがギシッと軋んだが、青木はそれにも気付かず、深く寝入っているようだった。

無理もない・・・、確か3日近くも青木は寝ていない。
何度か気になって声をかけたものの「気になることがあるから自分で確かめたい」とモニターから離れなかったのだ。
一見柔和に見えるが自分の意志は簡単には曲げない、薪は青木のそんな所が好きだった。

薪は上体を倒し、青木にそっと顔を寄せた。
月明かりだけで照らされていた青木の上に薪の影が落ちた。
何故かその画は自分と青木の体が重なり合う様を思い起こさせ、薪は頬を火照らせた。
薪の下で安らかな寝息を立てながら眠る青木は普段よりもずっとあどけなく見える。

そう、青木は自分より12歳も年下なのだ。
自分はひどく年下の部下の男に惹かれている・・・。

薪は改めて自分の想いの不可解さを感じる。
それとともに、この青木の邪気のない寝顔に見入る邪な自分を恥じていた・・・。

しかし、それでも薪は青木のそばから離れることはできなかった。
こんな時間が今後訪れるかどうか分からない。
だからこそ、青木の寝顔を自分の脳裏に焼き付けておきたかったのかもしれない。

暗がりに慣れた薪の目には青木の意外に長いまつ毛や少し開いた口元までが見てとれた。

薪は自分の鼓動が更に高まるのを感じていた。それは自分の耳に聞こえてきそうなほど体中に響いている・・・。

接吻したい・・・

薪は湧き上がるその衝動に困惑しつつ、もう青木の唇から目をそらすことができなかった。

今なら誰もいない。そしてきっと青木も気づかない・・・。

そう思う一方で薪はどこか怯えていた。
青木に触れてしまったなら、自分はどうなってしまうのだろう・・・と。

見つめているだけでこんなに熱いのに、青木の肌に触れてしまおうものならその部分から甘くトロトロと溶けだしてしまいそうな気がした。
禁忌の恋に溶けた自分を、あの青木がその手ですくい上げ飲み干してくれるとは到底思えない。
それでも一度溶けてしまった自分はきっと二度と元の姿に戻ることなどできないのだ。
プライドも何もかも捨てて狂おしく青木の愛を求めてしまう自分が心の奥の壁を突き破って出てきてしまうことだろう。

しかし、愛しても愛されても不幸しか生んでこなかった自分が誰かの愛を強烈に求めこと・・・、それは自分、ひいては周りの人間の身の破滅につながりはしないか?

薪はためらった・・・。
青木の温かな吐息を感じるほど近くで、触れることも諦めることもできずに熱を帯びた唇を持て余していた。

何故こんなに惹かれてしまったのだろう・・・。
そして何故自分は自分の愛にすら真っ直ぐ向き合うことができないのだろう。

そんな想いが胸にいっぱいになり、涙になって瞳を濡らした。

ふと振り返ると涙で霞んだ月は先ほどより輝きを増し、その白い光の筋は真っ直ぐに二人のもとに降り注いでいるようにも見えた。
「満月に願い事をすればかなう」
そう誰かが言っていた気がした。

本当だろうか・・・?

月は薪を慰めるでもなく、責めるでもなく、ただそこにあって輝いているだけだ。
それでも薪はその妖しいまでに美しく輝く月に願わざるを得なかった。

今だけ・・・、今だけ彼を僕のものにしてくれないか・・・と

ふと、青木の唇が微かに動いた気がした。
今の薪には青木のそんな無意識さえ、誘っているかのように感じられて胸が疼く。

できることなら今の素直な感情に流されるまま、自分自身の心の中にある厚く冷たい壁を壊してしまいたかった。

別に多くを望んでいるわけではない。
この先青木に愛してもらえるとも思っていない。
ただ今だけ・・・
たった一度の接吻がしたかった。

そして後にこの自分の脳の画が誰に見られることになっても、この一度だけの甘い時間をこの先も続くであろう孤独な生涯の美しい思い出として残したい。
「愛」というものに怯えながらも、自分がこんなに青木を想ったという証を残したい・・・、そう願った。

薪はもう一度心の中で繰り返してみる。

今なら誰もいない。そしてきっと青木も気づかない。
見ているのは月だけだ・・・。

薪は目を閉じ、青木に唇を寄せた。
青木の熱や彼自身の香りを感じ、薪は恍惚とした。

今だけは僕のもの・・・

耳にかけた髪がハラリと青木の額に落ちた。
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テーマ : 日記とアニメ・マンガ関連ごちゃまぜ
ジャンル : アニメ・コミック

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非公開コメント

読みましたー!!

すごく良いです、薪さん、色っぽい(*^^*)きゃっ
めぐるさん、文章上手ですねー、切ない想いがビシビシ伝わってきました!
ああ、ついに接吻を…。
あ、「接吻」は「口づけ」と読みましたよ、うん、絶対こっちの読み方でないとね。

後編、いったんUPされて消されました?
更新情報には後編UPの記事があったんですが(^^;???

原麻 めぐみ様へ

>すごく良いです、薪さん、色っぽい(*^^*)きゃっ

ありがとうございます!
18禁ではないけど、色っぽい作品にしたかったんです。

>めぐるさん、文章上手ですねー、切ない想いがビシビシ伝わってきました!

伝わるかな~、どうかな~と不安を抱きながら書きました。
実は十数年前に趣味で小説書いていたんですよね。
あんまり上手くないし、短編しか書けないので辞めちゃったんですけど・・・。
久々に書いたら、すごーく疲れました。
しかも思うような言葉がなかなか出てきませんでしたね・・・。

>ああ、ついに接吻を…。

さぁ、どうでしょう・・・(笑)

>後編、いったんUPされて消されました?
更新情報には後編UPの記事があったんですが(^^;???

すいません・・・。
後日更新するつもりで、後編の準備をして記事を下書き保存しようとしたらパソがフリーズしてしまいました。
絶対記事が消えたと思ったら何故か公開になってて、あわてて引っ込めました・・・。
明日かあさってに出すつもりです(笑)

うわーー!!

すごいっ!!めぐるさん!!!
本当になんだかムンムンとエロい空気が漂っている(笑)いやでも、読み進めていくとどんどん切なくて・・・薪さんの苦しみがすっごい伝わってきて・・・(TT)
薪さんの心情をすごく丁寧に書かれていますね。
ここにも1人プロが生まれたヨ~(@□@;)

このまま薪さんは青木に接吻できるのでしょうか?!
すっごいドキドキします!!
後編楽しみにしてま~す(^^)♪

素敵でした!!!

読ませて頂きました。

もう・・・もうあまりに耽美的な文章で、月の魔法にかけられてしまいそうで、眩暈すら感じました。

めぐるさん、とても、とっても文才のおありになる方なのですね!感動しました!
だてに妄想四翼将の異名を取ってはいませんね←あれ、合ってましたよね?(笑)

切ない・・・美しい・・・!!!
ため息がこぼれました。
清水先生の絵が、はっきりと目に浮かびました。
薄闇にほの白く浮かぶ薪さんの麗しいお顔と、濡れた髪のほつれかかる様まで見えるようで・・・
清水先生のお描きになる美しい世界をそのまま完璧に文章にした、とても印象的な素晴らしい作品でした。
読めて嬉しかったです。
ありがとうございました。

あ、やっべ、また本気語りしちゃった・・・
恥ずい~~~(笑)

感動しました・・・!!!

めぐるさんも小説お書きになられるのですねっ!
あまりにも美しい文章に溜め息がこぼれました(><;

この作品のように、薪さんの切ない心情主体の小説はあまり見かけませんよね。
だからもの凄く新鮮で、もの凄く感動しました!

雰囲気がこう、しっとりとしてて、艶があるというか。
めぐるさんならではの色っぽさがにじみ出てましたね!

原作の薪さんそのままのイメージで良かったと思います。
私めぐるさんの書く小説好きになりました(^^)

それにしてもみなさん小説書くの上手すぎです!
私は『if』シリーズのような微妙なヤツしか書いたことがないので、みなさんのあまりの文才っぷりに半ば唖然としております(ーー;

後編、早く読みたいです!
明日UPしてくださいっっっっ(>▽<)/



きゃあああ~!!!

耽美派ですね~。
薪さんの心情を美しく表現なさっていて、
作品全体にエロスが漂っていますね~。
素晴らしいです。
私の書く小説なんてまだまだエロスが足りないですね。(笑)

みーな様へ

>すごいっ!!めぐるさん!!!

ありがとうございます!

>本当になんだかムンムンとエロい空気が漂っている(笑)

あ、やっぱり(笑)

>いやでも、読み進めていくとどんどん切なくて・・・薪さんの苦しみがすっごい伝わってきて・・・(TT)
薪さんの心情をすごく丁寧に書かれていますね。
ここにも1人プロが生まれたヨ~(@□@;)

短い時間を切り取って、心情とか状況をより詳しく書く書き方しかできないんですよね・・・。
長編のストーリーものは全く書けません!

>このまま薪さんは青木に接吻できるのでしょうか?!
すっごいドキドキします!!
後編楽しみにしてま~す(^^)♪

ありがとうございます!

クリスタル様へ

>もう・・・もうあまりに耽美的な文章で、月の魔法にかけられてしまいそうで、眩暈すら感じました。

うれしいです!
「耽美」という言葉大好きです(笑)

>だてに妄想四翼将の異名を取ってはいませんね←あれ、合ってましたよね?(笑)

はい、加入させていただきました(笑)
最近妄想のみで生きてる感じがいたします!

>清水先生のお描きになる美しい世界をそのまま完璧に文章にした、とても印象的な素晴らしい作品でした。
読めて嬉しかったです。
ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございます。
もったいないほどのお褒めの言葉です・・・。

私は小心者なのでいつもビクビクしながら記事を公開してて、今回の小説は特に緊張しました。
アップする気持ちになるまでにすごく時間もかかりましたしね。
でもそう言って頂けるとやってよかったなぁと思えます。

コハルビヨリ様へ

>あまりにも美しい文章に溜め息がこぼれました(><;

ありがとうございます!

>この作品のように、薪さんの切ない心情主体の小説はあまり見かけませんよね。
だからもの凄く新鮮で、もの凄く感動しました!

そうですね。
逆に私はこんなのしか書けません。
かのんさんみたいなしっかりしたストーリーものは残念ながら書けません・・・。
心情を主に・・・という方が書きやすく感じます。

>雰囲気がこう、しっとりとしてて、艶があるというか。
めぐるさんならではの色っぽさがにじみ出てましたね!

昔から私が書くと意味なくエロっぽくなるんです・・・。
やっぱり自分のキャラのせいですかね・・・。

>原作の薪さんそのままのイメージで良かったと思います。
私めぐるさんの書く小説好きになりました(^^)

良かった~!ありがとうございます!

>私は『if』シリーズのような微妙なヤツしか書いたことがないので、みなさんのあまりの文才っぷりに半ば唖然としております(ーー;

でも『if』シリーズは皆さんの妄想をかきたてるのにピッタリですよね(笑)
私も含め、みんな楽しみにしてると思いますよ!

>後編、早く読みたいです!
明日UPしてくださいっっっっ(>▽<)/

はい!
今日アップできると思います。

あみりん様へ

>耽美派ですね~。
薪さんの心情を美しく表現なさっていて、
作品全体にエロスが漂っていますね~。

そう言っていただけると嬉しいです!

>私の書く小説なんてまだまだエロスが足りないですね。(笑)

あみりんさんの小説の純な薪さんも魅力的ですよ。
でも興味があるのなら、次回はエロスをテーマに書いてみては(笑)

プロフィール

都 めぐる

Author:都 めぐる
北に生息する♀
人生の真ん中辺を歩いている最中です。

既婚で2人の子供の子育て中!

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